Printer Friendly Version 大使「セルビアの今を知っていただきたい」 旅の情報誌にインタビュー掲載 @ 8 August 2013 03:44 AM
 ワールド航空サービス社が発行する情報誌「WORLD 旅のひろば」8月号に、ボヤナ・アダモヴィッチ・ドラゴヴィッチ大使のインタビューが掲載されました。
 日本人の皆さまにセルビアの「今」を知っていただきたい。そう願う大使が、セルビアのお勧め観光スポット、旅行の楽しみ方などを語ってくれました。今回は特別に、同社の協力によりインタビュー全文をお届けします。
 
「WORLD 旅のひろば」8月号
 
セルビアの「今」を知っていただきたい
ボヤナ・アダモヴィッチ・ドラゴヴィッチ・在日セルビア共和国大使インタビュー
 
聞き手:春名釈(ワールド航空サービス) 
 
 ヨーロッパで新たな旅先として注目を集めるバルカン半島。5月に現地視察を終えた春名(東京支店)が、駐日セルビア大使ボヤナ・アダモヴィッチ・ドラゴヴィッチさんにお話を伺いました。
 
新しく生まれ変わったベオグラード
 
春名:先日、20年ぶりにベオグラードを訪れる機会がありました。ひと昔前はいかにも社会主義の味気ない団地が立ち並ぶという印象だったのですが、その変貌した様子に驚きました。
 
大使:初めに日本の皆様にまだ知られていないセルビアを紹介する機会をいただき、たいへん恐縮しております。また、セルビアの大きな変化を感じていただき、たいへんうれしく思います。
  セルビア政府にとりまして観光は最も大切な産業として考えております。それは外貨獲得というのももちろんですが、多くの方に今のセルビアを知っていただきたいからです。1990年代、分離独立、政情不安によって、よい印象を持っていただけなかったセルビアを、旅の訪問地として知っていただきたいのです。もうひとつ大きく変わったのは、民間のホテル、企業が増え、すべてが速く進むようになったこと。以前は手続きに時間がかかり何事も進みが遅かったのです。
 
春名:魅力的になったセルビアですが、日本の皆様にどんなところをご覧になってもらいたいですか?
 
大使:それは、たくさんあって話しきれませんが、ベオグラードでいえば、ドナウ川とサバ川を見下ろす500年の歴史を持つ要塞、再開発された旧市街です。とくに2つの川の河畔の散歩をぜひお楽しみいただきたいと思います。これまで私たちベオグラードに住む者にとって、「川を楽しむ」という考えはありませんでした。ところが今はこの2つの河畔に多くのレストラン、カフェテリアができました。遊歩道も整備されましたし、昼も夜も遊覧船が行き交います。ベオグラードの人々が休日を過ごし、リラックスできる川になりました。
  現在ベオグラードには年間で85万人の観光のお客様が訪れます。しかし、セルビアを訪れるお客様の中でほぼ半分のお客様はベオグラードのみの滞在にとどまっているのが残念ではあります。
 
セルビアの訪ねたい魅力的な町々
 
春名:では、ベオグラード以外のおすすめの場所はありますか?
 
大使:セルビアは日本の北海道ほどの大きさなので、実はどこにでも行きやすいのです。日本の旅行者の主たる目的や興味は、歴史と伝統と聞いています。セルビア各地には石器時代、ローマ時代の遺跡が多くありますし、フレスコ画が素晴らしい中世の修道院も必見です。そして、何より東西ヨーロッパを貫くドナウ川とその両岸におすすめの場所がたくさんありますよ。
 
春名:古都のノヴィ・サドはどうですか。訪ねてみて私も大好きになったのですが。
 
大使:もし私がベオグラードに生まれなかったら、ノヴィ・サドに住みたいですね。ドナウ川を見下ろす要塞もいいですし、歴史的な旧市街もそれは美しい。昔からここは音楽家や芸術家がたくさん住み暮らす教養高い町でした。かつてのオーストリア=ハンガリー帝国の雰囲気が感じられるところがいいですね。
  また、ノヴィ・サド周辺にも修道院や魅力的な町がたくさんあります。たとえばスレムスキ・カルロヴツィ。ワイナリーや、世界でも珍しい養蜂の博物館もあります。小さな町ですが町もきれいです。
 
春名:その町に私も視察の際に立ち寄りました。世界で最初に円卓会議が行われた町ですよね。当時この地域を脅かしていたオスマン・トルコの問題を、オーストリア=ハンガリー帝国、ベネチア共和国、ロシアが話し合った場所と聞きました。
 
大使:そうです。当時から重要な町でした。今は小さな町ですが、セルビアの文化と歴史の中心のひとつでした。ワイナリーとともに訪れてみるといいですね。
 
変わらないセルビアの3つのこと
 
春名:お話を伺っていると新しいセルビアの魅力はまだまだたくさんありそうですね。
 
大使:新しいセルビアを紹介してきましたが、セルビアで昔から変わらないものが3つあります。それは、ホスピタリティ、おいしい料理、そして日本人に対する親日感の3つです。古来、東西交通の要衝であったために、人々をもてなす文化と習慣があります。そこでセルビア人のホスピタリティが磨かれ高まっていきました。
  料理もぜひ楽しんでください。おすすめはベオグラード市内のスカダルリヤ通りです。ここは石畳が敷かれ、「セルビアのモンマルトル」とも呼ばれる芸術家たちが集まるエリア。毎晩、セルビア料理と伝統音楽を楽しめます。占い師や花売りも声をかけてきて、楽しい場所ですので、ぜひ行ってみてください。ここで詩人や作家たちが、ワインに酔いしれながら、レストランのナプキンに詩を書いていたそうです。ロマンチックな話ですね。
  そして、私たちはとても親日家です。昔から貿易を通じての付き合いから、日本人に好感を持っています。日本人と同じようにおもてなしの心があり、通じるものがあるのかもしれませんね。
 
春名:大使お勧めのレストランなどありますか。
 
大使:たくさんあります。やはりスカダルリヤ通りはいいですね。多くのレストランがありますので、セルビア料理とその雰囲気を楽しんでみてください。そして、昔の伝統的な民家を利用したレストランもお勧めです。市内の南にありますが、伝統的なセルビア料理が古い民家で楽しめます。
 
春名:それはいいですね。その民家風のレストランは、ツアーでもご案内したく思います。貴重なお話をありがとうございました。
 
大使:これを機会にぜひ皆様にも大使館にお越しいただければと思います。詳しい情報もご用意しておりますので。
 本日はセルビアを紹介する機会をいただき、ありがとうございました。日本の皆様にセルビアを知っていただき、旅の良い思い出を残していただければと思います。また、訪れた後の皆様のご意見もぜひお聞きしたく思います。良い面も悪い面も。セルビアの皆が、日本の皆様のお越しをお待ちしております。
 
<了>
 
(テキスト・写真提供:ワールド航空サービス
 
 
 なお、情報誌「WORLD 旅のひろば」に関する情報はこちらでご覧いただけます。
http://www.wastours.jp/web_tabihiro/
 
 また、ワールド航空サービス社は、セルビアを訪ねる「秋の東ドナウ古都の旅」と題するツアーを11月に企画しています。詳細は下記サイトをご覧ください。
http://www.wastours.jp/index.html