Printer Friendly Version セルビアの音楽祭「EXIT」に関する記事が掲載されました @ 10 April 2014 09:16 AM
 一般財団法人日本ユースホステル協会の季刊誌『TRYVEL』にセルビアの音楽フェスティバル「EXIT」の記事が掲載されました。
 
「EXIT」は毎年7月にノヴィ・サドで開催される欧州最大規模の音楽祭で、豪華ア-ティストのパフォーマンスを求めて世界中から多くの人が集まります。
 今回の記事では、「EXIT」と1969年の伝説の「ウッドストック・フェスティバル」との比較や2013年のヨーロッパ最高音楽祭に選ばれたことなどが記述されているほか、セルビアの渡航情報や東日本大震災での義援金寄付についても触れています。
 以下、記事全文です。
 
※なお、「EXIT」の無料パスが抽選で5名様に当たるプレゼントも。4月20日までの応募です。応募方法は下記リンクをご覧ください。
http://www.jyh.or.jp/tryvel/index.html
 
 
ウッドストックの熱狂が再び
 
 1969年8月15日。
 今も伝説として語り継がれる一大イベントがニューヨーク州サリバン郡ベセルで行われた。「Woodstock Music and Art Festival」通称ウッドストックは3日間に渡って、約40万人ともいわれるオーディエンスを熱狂させた。出演したのはサンタナ、ジャニス・ジョップリン、ジミ・ヘンドリックスなど、40年以上経った今もなお音楽シーンに影響を与え続けるレジェンド達。その彼らを出演に駆り立てたのはたった4人の若者だった。
 
 以降、大観衆で音楽を共有する”フェス”のムーブメントは広がり続け、世界中で開催されている。そんな中で最も注目されているフェスが「EXIT FESTIVAL」。セルビアのノビサドで2000年から開催され、2013年のUK Festival Awardsで「Best Festival in Europe」を受賞したこのフェスもまた、3人の大学生によって始められた。
 
 ミロシェビッチ政権崩壊後のセルビア・モンテネグロ(当時)では渡航ビザの取得が容易でなく、海外を自由に往来できる状況ではなかった。そんな閉鎖的な状況への不満を、学生達はフェスを通して国内外に発信し続ける。2006年のオープニングセレモニーには当時のEUコミッショナーを招き、ビザ発給についての発言を引き出すなど、次第に影響力を強めていった。そして2010年にはビザ取得条件が大幅に改善され、EU圏内の90日以内の渡航ビザが免除されたほか、2011年5月には日本の90日以内の渡航ビザも免除された。
 
 ヨーロッパ最大級のフェスとなった今では、ヨーロッパ以外からも多くの音楽ファンが集まり、普段は穏やかなノビサドの市街も期間中は若者たちで埋め尽くされる。出演アーティストには音楽シーンのトップランナーを揃え、過去にはジャミロクワイやケミカルブラザーズ、ファットボーイスリム、ペットショップボーイズなど日本人に馴染みのあるアーティストも多数出演したほか、エム・アイ・エー、アヴィーチー、アトムス・フォー・ピースなど今注目のアーティストも圧巻のパフォーマンスを披露した。
 
 一時の政情不安定な印象が残るセルビアだが、セルビア人はとても親日的。東日本大震災発生後に人口700万人あまりの小さな国から、多くの義援金が寄せられたことは、残念ながらあまり知られていない。
 
※     ※     ※
 
 日本からセルビアへの直行便はないが、ミュンヘンやフランクフルトから2時間程度。ウィーンからなら1時間ほどでニコラ・テスラ空港へ行くことができる。空港からベオグラード市内へはバスを利用するのが一般的。タクシー利用する際は事前に出口の側にあるタクシーカウンターで行き先を指定する券をもらい、すぐ外で並んでいる一番前のタクシーのドライバーに券を見せて確認するとよい。
 
 セルビア国内にはベオグラードをはじめ、多数のユースホステルがあり、日本国内で発行したユースホステル会員証が利用できる。90日までの滞在にはビザは必要ないが、入国審査や入国後の滞在登録など、諸条件がある。入国前に外務省やセルビア大使館ホームページなどで情報を確認してから出発を。
 
季刊誌『TRYVEL』より転載