Printer Friendly Version 2022年2月7日のタンユグ通信社電:ベオグラードに第4次産業革命センター開設へ @ 8 February 2022 09:36 AM
 
2月7日セルビア共和国のアナ・ブルナビッチ首相はスイスのジュネーブを訪問し、西バルカンでは初めてとなる、セルビアでの世界経済フォーラム第4次産業革命センターの設立に関する協定の署名式に出席しました。
 
同協定の署名式は世界経済フォーラムの本部で行われ、協定にはセルビア政府を代表して情報技術および電子行政担当局のミハイロ・ヨヴァノヴィッチ局長が、また世界経済フォーラムを代表して世界経済フォーラム第4次産業革命センター担当のジェレミー・ユーゲンス常務理事がそれぞれ署名しました。
 
セルビアに開設されるセンターは、世界各地に存在する世界経済フォーラムの同センターの16番目のものとなり、西バルカン地域では初のセンターとなります。
 
セルビアの新センターは3月1日に稼働を開始しますが、主に人工知能とバイオエンジニアリングに焦点を当てつつ、第4次産業革命のための官民パートナーシップと協力のための非営利組織およびプラットフォームとして機能することになります。
 
署名式には世界経済フォーラムの創設者および会長のクラウス・シュワブ氏とボルゲ・ブレンデ総裁も出席しましたが、ブルナビッチ首相も両者と会談しています。
 
ブルナビッチ首相は会見で、今回の協定はセルビア政府と世界経済フォーラム(WEF)との長年にわたる共同作業の結果であると指摘しました。
 
「私たちは2018年に交渉を開始し、基本合意書に署名しました。その後の2020年に動きが少し停滞することもありましたが、2021年にはプランを練り続け、今日の署名に繋がったのです」と首相は語りました。
 
首相によると、同センターは人工知能、生物医学、バイオテクノロジーの開発、そしてデジタル化による企業と経済全体の生産性向上に焦点を当てる予定です。
 
「これは引き続き私達を、より高い給与やより良い生活水準、そして何よりも知識、創造性、イノベーションに基づく経済の醸成へとつなげるものなのです」とブルナビッチ首相は強調しました。
 
首相はまた「今日私達セルビアが行ってきたデジタル化、ハイテクの開発、パラダイムシフトの分野での成果の数々に対して高い評価が与えられたのです-これは労働集約的な投資に基づいた経済からデジタル開発への転換です」
 
その意味でもこの協定はセルビアがここ6年間、経済およびIT分野のリーダーたる国の一つとして認識されていることを意味しているのです」と語り、セルビアと世界経済フォーラムの間の協力関係が更に緊密なものとなるとしています。
 
 
また首相は世界にある16の世界経済フォーラム第4次産業革命センターがそれぞれ異なった分野に焦点を当てていることを踏まえ、各センターの活動内容について協議するための合同会議が1カ月ごとに開催されることも発表しています。
 
「この毎月の会議ではそれぞれが他のセンターの活動について知り、また互いに学び合える機会となるものですが、ベオグラードに置かれるセンターが最高のセンターの1つになると確信しています」と首相は語りました。
 
首相はまた、今回のセンター開設がセルビアを投資先として、生活、そして新しい技術や知識への投資に適した国として宣伝する上で更なる可視性と可能性を与えるものだとしています。
 
またヨヴァノヴィッチ局長は、セルビアに開設される第4次産業革命センターはITおよびオンライン行政システム担当局内で機能することになる、と説明しました。
 
ヨヴァノヴィッチ局長によるとこのセンターは人工知能研究開発研究所、分子遺伝学および遺伝子工学研究所をはじめとする国の重要な機関や、他の国立機関や科学機関、および民間部門と緊密に協力していくとのことです。
 
彼によると、センターの周りに形成されるエコシステムは、人工知能開発のための国立プラットフォーム、ゲノム配列決定センター、そして将来の生物経済センターである「BIO4キャンパス」のインフラとして活用されることになるとのことです。
 
世界経済フォーラムとの間の今回の第4次産業革命センター設立に関する協定への署名は、デジタル化、IT部門とオンライン行政システムの開発、教育と知識の革新と投資といった分野におけるセルビア政府の成果を裏付けています。
 
セルビアでの同センター開所は、IT部門とイノベーションの更なる発展、そして技術革新やヨーロッパのこの地域におけるセルビアのリーダーシップの強力な推進力となります。
 
第4次産業革命の時代にセルビアはその機会を活用し、地域の技術的および科学的リーダーになりつつあります。
 
ブルナビッチ首相の主導で、セルビア政府は人工知能開発のための国家プラットフォームを確立することを目的に、2019年に人工知能開発戦略を予見的に閣議決定しましたが、当時このような戦略を有する国は世界でも26か国だけでした。
 
データセンター建設の為にクラグイェヴァッツ市で定礎式があってから僅か2年半後、人工知能のプラットフォームとスーパーコンピューターがそのセンターで稼働しています。
 
このプラットフォームは、革新的なスタートアップ企業や科学者達が新たな人工知能製品を迅速に開発するために利用することが出来ます。
 
出典/写真:タンユグ通信社