Printer Friendly Version ニコラ・テスラに関する学術会議を東京にて開催(2023/10/14) @ 18 October 2023 08:18 AM
 
セルビア共和国大使館の後援のもと、ニコラ・テスラの業績を研究する日本の非政府系組織、「ニコラ・テスラ研究所」の主催により、この偉大なセルビア人科学者の没後80年を記念しての学術会議が東京で開催されました。
 
アレクサンドラ・コヴァチュ大使は挨拶の中で、ニコラ・テスラによる近代文明の発展への貢献や、セルビア人としての出自に対する誇りなどについて述べました。彼女は、ユネスコによって世界の記憶遺産として認定されているテスラのアーカイブが、ベオグラードのニコラ・テスラ博物館に保存されていることを紹介しました。またコヴァチュ大使は、ニコラ・テスラ研究所が長年にわたりテスラの遺産を日本に広めることに尽力してきたことや、今回のような重要なイベントを支援した他の機関や組織に感謝の意を表しました。
 
非常に内容の濃いものとなったこの学術会議では元駐セルビア日本大使で日本セルビア協会会長の永長井忠氏も観客に対して挨拶しました。また、2020年に米国電気電子学会(IEEE)からベアリングレスモータに関する研究に対してニコラ・テスラ賞を受賞した東京工科大学の千葉明教授は基調講演を行い、直流と交流の違いを説明するとともに、テスラの発明が現代社会で今も活用されている数々の事例を紹介しました。
 
神奈川県の高校生、嘉手納杏果さんは小型のテスラ変圧器を使った発明について発表しました。
 
ニコラ・テスラ研究所の新戸雅章氏は、旧ユーゴスラビアと米国で制作された映画について語りながら、テスラに対する知名度の世界的な普及について紹介しました。日本セルビア協会の平下治氏は、セルビア共和国大使館の支援を得て、日本で唯一のニコラ・テスラの胸像を制作したことについて語りました。ちなみにこの胸像は東京電力の博物館で長年展示された後、現在は大使館に移されています。
 
会議の第2部では、金沢工業大学の大来雄二名誉教授、元大谷大学教授の池田佳和氏、日本科学史学会前理事長の古川安氏、大阪大学の菊池誠教授によるパネルディスカッションが行われました。
 
会議にはまた数多くの市民や研究者、教授、講師、学生なども参加し、その様子はオンラインでも配信されました。