セルビア共和国のアレクサンダル・ヴチッチ大統領はスイスのダボスを訪れ、世界経済フォーラムの年次総会に出席しました。2日間の滞在中ヴチッチ大統領は西バルカン半島をテーマとした外交対話セッションをはじめ、平和の確立や成長の回復、持続可能性の達成に関する討論に参加しました。
ヴチッチ大統領は、今回のダボス会議で支配的なテーマはウクライナであり、それ以外の重要なトピックは来るべき冬に備えてのエネルギー、食糧、持続可能性の問題だったと述べました。
「どのような計画があるのか、基準金利をどれだけ上げるのか、成長とヨーロッパのインフレからの救済の間でどのように立ち振舞うべきなのか、平均以上の成長率を維持する為にセルビアは何ができるのか、といったことについて様々な意見に耳を貸すことが重要なのです」とヴチッチ大統領は語り、今回の会議ではウクライナ危機に関する話題が他のすべての話題を圧倒し、異論を挟む可能性も無いまま、ウクライナに対する圧倒的な支持だけが目立ったと付け加えました。
「以前の会議では、習近平氏やアンゲラ・メルケル氏もやって来て、異なる意見もを聞けたものですが、今やダボス会議は、欧米一辺倒の場になってしまいました。他のことは議論してもいいのですが、ただし決められた枠の中でのみしか認められません」とヴチッチ大統領は語っています。今回のダボス会議でも多くの欧州や世界の高官たちと良い会談を重ねることが出来たとのことで、様々な問題について率直かつオープンに話し会えたと語りました。
またヴチッチ大統領は西バルカン諸国に関する外交対話のセッション後に記者団からの質問に答えましたが、その際にセルビアはEUへの道を歩んでおり、EUから受けている支援には感謝しているが、セルビアに期待することを繰り返し述べるばかりではなく、我々の立場を理解する必要もある、と述べています。
ヴチッチ大統領は「要するに、私は諸問題について率直に、オープンに語ったのです。例えばボスニア・ヘルツェゴヴィナの状況についてはセッション参加者の大半とは異なる見解を示しましたし、またクルティ氏に対しても異なる立場を示しました」と語り、詳細は明らかにできないとした上で、会合ではバルカンの将来について全く異なるビジョンが示されたと指摘しました。またベオグラード、スコピエ、ティラナの間では経済協力が進んでおり、すべてが正しい方向に進んでいると確信していると強調しました。
ヴチッチ大統領は、会議のセッションの傍らで北マケドニア共和国のステヴォ・ペンダロフスキ大統領とも会談し、またクロアチア共和国のアンドレイ・プレンコヴィッチ首相とも短時間会談しました。
ダボス会議でヴチッチ大統領は、モンテネグロのドリタノ・アバゾビッチ首相とも会談し、オフリドで開催される「オープンバルカン」イニシアティブの会合に同首相を招待しています。
更にヴチッチ大統領は今年のフォーラムでも、世界の高官や金融機関、世界の主要企業の代表者たちとの会談も行なっています。
「今日の世界に於いて我々がどのような地位を獲得できるかについて多くを語りましたが、例えば米国輸出入銀行のトップとは、太陽光発電や水力発電プロジェクトといった大規模なエネルギープロジェクトの数々への大規模な融資について話をしました。短い時間でしたが、具体的で素晴らしい会談でした。近いうちに具体的な計画が立てられるものと信じています」とヴチッチ大統領は語りました。
セルビアのヴチッチ大統領はダボスでの滞在中、世界経済フォーラムの創設者で最高責任者のクラウス・シュワブ氏やギリシャのキリアコス・ミトタキス首相、アルメニアのヴァガン・ハタトゥリアン大統領とも会談し、両国関係や世界情勢について意見を交換しました。