本日セルビア共和国外務省にて、セルビアと日本の友好関係140周年を記念しての式典が開催されました。
この式典ではニコラ・セラコヴィッチ外務大臣をはじめ、「セルビア郵便」社のゾラン・ジョルジェヴィッチ社長、在セルビア日本国大使館の勝亦孝彦大使が祝辞を述べられました。
セラコヴィッチ外相は祝辞の中で、両国の友好関係は1882年にセルビアのミラン・オブレノヴィッチ国王と日本の明治天皇が初めて書簡を交わした日から始まっていると述べ、セルビアと日本が19世紀末から20世紀初頭にかけての時期に始め、今日に至るまで育んできたような交流や協力関係を誇れる国は、世界でもそう多くはないだろうと誇らしく述べました。
セラコヴィッチ外相は「これまでの140年間には二つの大戦などの激動の歴史的出来事や経済危機などがありましたが、セルビアと日本はその殆どの時期において、今日私たちが誇りに出来るような交流と協力関係を育んできました」と述べ、両国を隔てる地理的な距離は、協力と友情を推し進めていくという両国の願いには全く無縁であったと付け加えました。
セラコヴィッチは外相はまた、今日の両国間の協力関係は、多方面にわたって成功裏に発展しており、両国の政府高官の相互訪問を通じて開かれた政治対話が行われていると述べました。一例として近年セルビアを安倍晋三首相や河野太郎外務大臣が訪問したことや、アナ・ブルナヴィッチ首相が徳仁陛下の即位式に参列したことを挙げ、セルビアが日本との協力関係の更なる強化を目指して今後も交流を密にしていくと語りました。
「セルビア共和国と日本が経済分野での協力においても大きな成果を上げ、また数多くの日本企業がセルビアに進出することのメリットを認識していることを大変嬉しく思います」とセラコヴィッチ外相は述べ、セルビアが日本からの新たな投資家に対し、ビジネスベンチャーに必要なあらゆる支援を提供する用意があることを強調しました。
またセラコヴィッチ外相は祝辞の中で、セルビアと日本がそれぞれ困難な時期にあった際も両国の市民は常に共にあったと指摘し、1999年のNATOによる侵攻があった際には日本国大使は侵攻の続いた78日間継続してセルビア市民と共にいた数少ない外国大使の一人であったこと、また2011年の東日本大震災の際はセルビア市民の間に並外れた連帯感が呼び起こされ、災難に見舞われた日本の友人たちを助ける動きが国内に広がったことを紹介しました。
「ベオグラードの市民は皆、日本から贈られた黄色いバスのことを知っています。この”ヤパーナッツ(日本人)”の名で親しまれるバスはこれまでの20年間における日本からの無私の寄付と援助の象徴です。これまで日本からセルビアに提供された寄付や私たちにとっても条件の良い円借款、技術支援を含む援助といったものは総額で5億800万ユーロを超える並外れた規模のものです。私はこの場をお借りして日本の皆様からの連帯と援助に感謝の意を表したいと思います。セルビア国民も決して忘れていません」とセラコヴィッチ外相は述べました。外相はまた、セルビアと日本の友好関係に貢献した数多くの個人が、両国関係の発展に対する寄与から、セルビア共和国と日本それぞれから勲章を授与されたことも付け加えました。
「セルビア郵便」社のゾラン・ジョルジェヴィッチ社長は、両国の友好関係140周年祝賀行事の一環として発行された記念切手を披露し、「私たちセルビア郵便社は今回の重要な祝賀行事にこのような形で貢献したい」と述べました。
「セルビアと日本の間に固い友情が存在し、これが今後も続いていくことは間違いない。私はこの友情が将来更に大きなものへと成長することを確信している」とジョルジェビッチ社長は語りました。
在セルビア日本国大使館の勝亦孝彦大使は、セルビアと日本の友好関係はこれまで順調に発展し、様々な分野で関係が育まれていると指摘し、特に近年は政治対話や外交協力、経済・ビジネス関係が向上していると強調しました。
「11年前に日本が大地震と津波に見舞われ2万人以上もの人々が命を落とした際に、セルビアの人々から受けた支援は決して忘れません。
「今回の両国の交流史に関する展示会が両国の人々と文化を更に近づけ、また会場を訪れる人々がこれまでの交流の歴史に関心を持ってこの展示を観賞されることを願っています」と大使は語りました。
式典の最後には来賓が今回の祝賀行事の一環として設けられた展示会を見学し、両国の豊かな協力関係を物語る、セルビア共和国外務省外交史料館とユーゴスラビア公文書館から提供された数々の貴重な資料を観賞しました。
今回の式典には来賓としてドラガン・ストイコヴィッチ・”ピクシー”氏、元外務大臣で駐日大使のイヴァン・ムルキッチ氏、ベオグラード大学言語文学学部元学長のリリヤナ・マルコヴィッチ教授など、セルビアと日本の関係強化に貢献した多くの著名人も列席しました。