アレクサンダル・ヴチッチ セルビア共和国大統領は、エディ・ラマ アルバニア共和国首相、ディミタル・コヴァチェフスキ 北マケドニア共和国首相とともに、「オープン・バルカン」イニシアチブのサミットにて議長を務めました。このサミットにはモンテネグロのドリタン・アバゾヴィッチ首相、ボスニア・ヘルツェゴビナのゾラン・テゲルティヤ閣僚評議会議長、ハンガリーのペーテル・シーヤールトー外務貿易大臣、トルコのメヴリュット・チャヴショウル外務大臣も出席しました。
ヴチッチ大統領は「オープン・バルカン」イニシアチブ首脳会議の冒頭にて、このプロジェクトの成功にこれほど深い関心とエネルギーが注がれたことはなかったと語り、オープンバルカンの成功は加盟する国々がいかに自国経済の明るい未来を確保し、地域の平和と安定を定着させられるかにかかっていると述べました。
またヴチッチ大統領は「オープンバルカン構想が経済の強化や連携にて更なる貢献を果たすことを期待するだけでなく、私たちにとって非常に重要な、つまり私たちの国々すべてや地域全体の利害にかかわる重要な問題について、私達が声を揃えて発言する場となることも期待しています。これまでの進展も決して小さなものではありませんでしたが、そのペースに常に満足していたと言えば嘘になるでしょう。もっと迅速に、力強く、より良い形での仕事ができたはずです。食品の輸送のためにオープン・バルカンの緑の回廊を設立したことで、この分野での貿易が17%増加しています。また国境通過の際の専用レーンの開設により待ち時間が数時間から10~15分に短縮され、セルビア、アルバニア、北マケドニアの企業間のビジネスが計り知れないほど容易になりました」とヴチッチ大統領は強調し、サミット初日に予定されている合意文書への署名は、オープン・バルカン加盟諸国による関与と共同作業の成果であり、また将来さらに高いレベルでの協力を目指すという加盟諸国の決意の表明であると語りました。
ヴチッチ大統領によると、今回署名される文書の中にはオープン・バルカン地域内での支障のない主要食料品の供給確保を目指すメカニズムに関する協定があるとのことで、この協定は一加盟国が主要食料品の禁輸を決定した場合でもイニシアチブ内での同食品の支障のない取引を可能とする内容となっているとのことです。
大統領は「市民保護分野の運用計画は、2021年7月の市民保護・緊急事態における協力に関する協定を継続するものになります」と述べ、また映画や視聴覚メディアの分野で、アルバニアのエディ・ラマ首相からの素晴らしいアイデアにより映画関係者のための共同制作基金「オープンバルカン」を設立する覚書が締結されたと指摘しました。
またヴチッチ大統領は本イニシアチブの最初の労働許可証と登録番号の付与は、3カ国の今後の経済発展を方向付ける転換点になると評価し、また来る厳しい冬を前に、危機を回避するためのワーキンググループを設立することが特に重要だと付け加えました。
また大統領はオープンバルカンの一環として開催された国際ワインフェア「ワインビジョン」に言及し、加盟3カ国がこの重要かつ極めて困難なイベントを自国のワイナリーや世界の有名ワイナリーの大半を集めつつ、世界的に見ても遜色のないレベルで開催し、ワインだけでなくそれぞれの首都や自国のPRもできたと強調しました。
ヴチッチ大統領は、モンテネグロ首相、ボスニア・ヘルツェゴビナ閣僚評議会議長、ハンガリーとトルコ両国外相が、サミットのためにベオグラードを訪れたことに謝辞を表明しました。
「あなた方はただの客人ではありません。私たちはとても強固に繋がっていて、お互いを必要としているのです。これは私たちの会議の頻度にも表れています。オープン・バルカンの正式なメンバーでない国も、また今後加盟を予定していない国もあるでしょう。しかし私たちは協力関係を更に発展させることができるものと信じています」とヴチッチ大統領は付け加え、イニシアチブに加盟する国々の関係は歴史的にも高い水準にあると付け加えました。
ヴチッチ大統領はサミット加盟国首脳と来賓による挨拶の後、「オープン・バルカン」イニシアチブに参加する国々がすべての政治的出来事や問題についてまったく同じ意見を持っているわけではないものの、共通して平和と安定が重要であると強調しました。また大統領は今回のサミットに参加する国々すべてが欧州統合の道を歩み、また関与していることを指摘しました。「だからこそバルカン地域に対して敬意とさらなる理解を示すよう、欧州のパートナーたちに要請した」とヴチッチ大統領は語り、セルビア、アルバニア、北マケドニアが「オープン・バルカン」のようなプロジェクトを立ち上げる決定を下したことを尊重したEUの代表者たちに謝意を表明しました。